漢方で治すリーキーガット症候群の秘訣
ゆる漢方マイスターの順々です。
お腹の不調が続いておられる方、繰り返す腹痛、便秘はリーキーガット症候群が原因かもしれません。
リーキーガット症候群は、別名「腸管壁浸漏症候群・ちょうかんへきしんろうしょうこうぐん」とも呼ばれます。簡単に「腸もれ」といわれることもあります。
私たちの腸の壁には、本来、体に必要な栄養素だけを吸収し、不要なものや有害なものが体内に入り込まないようにするバリア機能があります。
しかし、このバリアに小さな隙間ができてしまうと、本来は腸の中に留まるはずの未消化の食べ物や細菌、毒素などが血液中に漏れ出してしまう状態になるんです。
これが、様々な不調を引き起こす原因と考えられています。
【リーキーガット症候群の主な症状】
では、リーキーガット症候群になると、具体的にどんな症状が現れるのでしょうか？
- 消化器症状:
- 慢性的な下痢
- なかなか治らない便秘
- ズキズキする腹痛
- お腹がパンパンに張るような腹部膨満感
これらの消化器症状はもちろんのこと、驚くことに全身にも様々な影響が出ることがあります。
- 全身症状:
- 疲れがなかなか取れない、慢性的な疲労感
- 花粉症や食物アレルギーなどのアレルギー症状
- 治りにくい湿疹やニキビなどの皮膚疾患
- 関節の痛み
- ズキズキする頭痛
- イライラしたり、集中力が続かないなどの精神神経症状
「え？お腹の不調がこんな全身の症状と繋がっているの？」と驚かれた方もいるかもしれませんね。
【リーキーガット症候群の原因】
では、一体なぜリーキーガット症候群になってしまうのでしょうか？原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
- 食事:
- パンや麺類に多く含まれるグルテン
- 牛乳や乳製品に含まれるカゼイン
- 白砂糖たっぷりの甘いもの
- 添加物が多い加工食品
- 飲み過ぎはNG！アルコール
- こうした食品の過剰摂取は、腸の粘膜に負担をかけることがあります。
- また、食物繊維が不足した食事も、腸内環境を悪化させる原因になります。
- ストレス:
- 現代社会で避けて通れないのがストレス。慢性的なストレスは、腸の働きを悪くし、リーキーガットを誘発することがあります。
- 薬剤:
- 風邪薬などで使われる抗生物質や、痛み止めなどの非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）の長期使用も、腸内環境を乱すことがあります。
- 感染症:
- 腸炎などの感染症も、一時的に腸のバリア機能を低下させることがあります。
- その他:
- 生まれつきの体質、つまり遺伝的な要因や、私たちが普段生活している環境も影響する可能性があります。
【漢方医学から見るリーキーガット症候群】
ここで、東洋医学である漢方の視点からもリーキーガット症候群を見ていきましょう。漢方では、この状態は主に「脾虚（ひきょ）」、「湿熱（しつねつ）」、「瘀血（おけつ）」といった体の状態と深く関わっていると考えられています。
- 脾虚（ひきょ）:
- 脾は消化吸収を司る大切な臓器です。この機能が低下すると、栄養がうまく吸収できず、腸内環境も悪化して、リーキーガットにつながると考えます。
- 湿熱（しつねつ）:
- 体の中に余分な水分や熱が溜まると、腸の粘膜で炎症が起こりやすくなり、リーキーガットを悪化させると考えます。
- 瘀血（おけつ）:
- 体の血の巡りが悪くなると、腸への栄養が十分に行き渡らず、腸の壁の修復が遅れて、リーキーガットが慢性化する可能性があると考えいます。
【漢方的な養生法とおすすめの漢方薬】
では、漢方ではリーキーガット症候群に対して、どのようなアプローチをするのでしょうか？
まずは、日々の生活の中でできる養生法が大切になります。
- 食事療法:
- 消化に良い温かいものを中心に、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 刺激物、油っこいもの、甘いもの、そして先ほどもお伝えしたグルテンやカゼインを多く含む食品、アルコールの摂取はできるだけ控えましょう。
- ストレス管理:
- 質の良い睡眠をしっかりとること、適度な運動を取り入れること、そして自分なりのリラックスできる時間を持つことが大切です。
そして、漢方薬も症状の改善に役立つことがあります。代表的なものをいくつかご紹介します。
- 補中益気湯（ほちゅうえっきとう）:
- これは、脾の働きを高めて、消化吸収機能を改善する漢方薬です。元気がない、疲れやすいといった症状がある方にもおすすめです。
- 六君子湯（りっくんしとう）:
- こちらも脾の働きを助け、食欲不振や胃もたれなど、胃腸の不調を改善するのに用いられます。
- 桂枝加芍薬湯（けいしかしゃくやくとう）:
- お腹が痛くて下痢をしやすいといった症状がある場合に用いられることがあります。
- 黄連解毒湯（おうれんげどくとう）:
- 体に熱がこもっていて、炎症を抑えたい場合に用いられることがあります。
そして、私がお勧めしたいのが、クマイ笹エキスのササパワーＧＯＬＤです。
リーキーガット症候群は、まだ研究が進められている分野であり、自己判断だけで対処するのは難しい場合があります。不快な症状が長く続いている場合は、自己判断せずに、まずは専門の医療機関、消化器内科や、漢方専門医などに相談してみてください。
お腹の不調は、日々の生活の質を大きく左右します。今回の動画が、少しでも皆さんの健康のお役に立てれば嬉しいです。
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