50代からのカラダの変化と上手な付き合い方
最近、なんとなく体調が優れない、イライラしやすくなった、寝つきが悪くなった……そんな悩みをお持ちの50代女性はいませんか？
もしかしたら、それは閉経による体の変化が原因かもしれません。
閉経は、女性なら誰しも経験する自然な体の変化です。
卵巣の機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲン（卵胞ホルモン）の分泌がほとんどなくなることで起こります。
一般的に、閉経は50歳前後で起こりますが、個人差があり、40代前半で閉経を迎える人もいれば、50代後半まで生理が続く人もいます。
ちなみに、日本での平均閉経年齢は50.5歳と言われています。
閉経の前後5年間は「更年期」と呼ばれ、この時期にエストロゲンの分泌量が急激に減少することで、様々な体の変化が起こります。
閉経に伴う体の変化
エストロゲンは、女性の体にとって非常に重要な役割を担っています。肌の潤いやハリを保ったり、骨を丈夫にしたり、コレステロール値を調整したりと、その働きは多岐に渡ります。
しかし、閉経に伴いエストロゲンの分泌量が低下すると、これらの働きが弱まり、様々な不調が現れることがあります。
エストロゲン分泌低下の影響
骨粗しょう症
エストロゲンには骨量を維持する働きがあるため、分泌量が低下すると骨密度が低下し、骨折しやすくなります。
閉経後の最初の5年間は、骨密度が急速に低下すると言われています。
脂質異常症
エストロゲンはコレステロール値を調整する働きも担っています。
分泌量の低下によりコレステロール値が乱れ、動脈硬化のリスクが高まります。
血管運動神経症状
のぼせやほてり、発汗といった症状が現れます。
自律神経の乱れ
めまい、動悸、不眠、イライラ、不安感といった症状が現れます。
肌のトラブル
肌の乾燥やシワ、たるみなどが目立つようになります。
泌尿器系のトラブル
頻尿や尿漏れなどが起こりやすくなります。
黄体ホルモンの変化
エストロゲンと並んで重要な女性ホルモンであるプロゲステロン（黄体ホルモン）も、閉経に伴い分泌量が減少します。
プロゲステロンは、子宮内膜を整えたり、体温を上昇させたりする働きがあります。
更年期によくある症状
更年期には、エストロゲン分泌の低下による様々な症状が現れます。
| 症状 | 説明 |
|---|---|
| ホットフラッシュ | 突然、顔や首、胸などに激しい熱感を感じ、顔が赤くなる。汗が噴き出すこともあり、数分から数十分続く。 ホットフラッシュは更年期が始まる数年前に起こることもあります。 |
| のぼせ | 体の上半身が熱くなり、汗ばむ。 |
| 発汗 | 特に夜間や睡眠中に大量の汗をかく。 |
| 動悸 | 心臓がドキドキする。 |
| めまい | 体がふらつく、立ちくらみがする。 |
| 不眠 | 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める。 |
| イライラ | 些細なことで怒りっぽくなる、感情の起伏が激しくなる。 |
| 不安感 | 漠然とした不安や心配に襲われる。 |
| 抑うつ | 気分が落ち込む、何事にも興味が持てない。 |
| 疲労感 | 体がだるい、疲れやすい。 |
上記の症状の他には、肩こり、腰痛、関節痛、膣の乾燥、性交痛などがあります。
これらの症状は、更年期障害と呼ばれることもあります。
更年期障害の症状は人それぞれで、症状の重さや種類も異なります。
更年期障害を予防するには？
更年期障害は、エストロゲン分泌の低下によって起こる症状ですが、生活習慣やストレスなども大きく影響します。
更年期障害を予防し、快適に過ごすためには、以下の点に注意することが大切です。
1. バランスの取れた食事
エストロゲンに似た働きをする大豆イソフラボンを積極的に摂取しましょう。
豆腐、納豆、味噌などの大豆製品を毎日の食事に取り入れると良いでしょう。
また、骨を丈夫にするために、カルシウムやビタミンDを豊富に含む食品も意識して摂取しましょう。カルシウムとビタミンDを十分に摂取することで、骨粗しょう症のリスクを大幅に減らすことができます。
2. 適度な運動
適度な運動は、ストレス解消や骨粗しょう症予防に効果的です。ウォーキングやヨガなど、無理のない運動を習慣にしましょう。
運動は、気分転換になり精神的な症状を和らげるだけでなく、睡眠の質を高める効果も期待できます。
3. 十分な睡眠
睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、更年期障害の症状を悪化させる可能性があります。
毎日同じ時間に寝起きし、質の高い睡眠を心がけましょう。
4. ストレスをためない
ストレスは、更年期障害の大きな原因の一つです。趣味やリフレッシュできる時間を持つなど、ストレスを解消する方法を見つけましょう。
ストレスをため込むと、自律神経のバランスが崩れ、ホットフラッシュや不安感、うつ症状などの更年期障害が悪化することがあります。
5. 自分の体と向き合う
自分の体の変化に気づき、無理をしないことが大切です。症状が重い場合や、日常生活に支障をきたす場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
婦人科クリニックなどのかかりつけ医をもっておくと、婦人科検診、骨密度検査、ホルモン検査などを受けることができ、更年期への対策を立てやすくなります。
6. 定期的な健康診断
更年期以降は、生活習慣病や骨粗しょう症などのリスクが高まります。
定期的な健康診断を受け、自分の体の状態を把握しましょう。
7. 治療法を検討する
更年期障害の治療法は様々で、サプリメントもその一つです。
症状が重い場合は、ホルモン補充療法（HRT）などの治療法を検討することもできます。
HRTは、不足しているエストロゲンを薬で補う治療法で、更年期障害の症状を改善する効果が期待できます。
漢方やサプリで改善できるかご確認の上ホルモン補充療法をされることをおススメします。
我慢せず早めに対処することが、更年期障害の悪化予防の秘訣です。
つらい症状がある場合は、一人で悩まずに、ご相談ください。
閉経後も自分らしく輝いて
閉経は、女性の体が次のステージへと進むための通過点です。
体の変化を理解し、積極的にケアすることで、閉経後も健やかに、そして自分らしく輝いて過ごすことができます。
まとめ
このブログでは、閉経後の女性の体の変化について解説しました。
エストロゲンの分泌低下は、骨粗しょう症や脂質異常症などのリスクを高めるだけでなく、ホットフラッシュやのぼせ、精神的な不調など、様々な症状を引き起こす可能性があります。
更年期障害を予防し、快適に過ごすためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスをためないことなどが大切です。
自分の体の変化に耳を傾け、積極的にセルフケアを行いながら、閉経後もイキイキと過ごしましょう。閉経は新たな章の始まりです。
自身の変化を受け入れ、前向きに過ごすことで、より充実した日々を送ることができます。
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