クエン酸サイクルをわかりやすく解説！
クエン酸とクエン酸サイクル（クエン酸回路）をわかりやすく
クエン酸は、食事によって摂取されたタンパク質・脂質・糖質を、分解・消化しながらエネル ギーを作る栄養素です。
クエン酸サイクルは、例えるなら、食べたものを燃料にして、体を動かすための電気を作る、エネルギー生産工場のベルトコンベアのようなものです。
この工場では、クエン酸を始め、イソクエン酸やコハク酸など、様々な部品がベルトコンベアに乗って変化しながらエネルギー生産を支えています。
1. 工場に材料が入る
- 食べたご飯やパン、お肉などの栄養素は、体の中で分解されて、最終的に「アセチルCoA」という小さな部品になります。
- このアセチルCoAが、エネルギー生産工場であるミトコンドリアの中に入り、クエン酸サイクルのスタート地点に立ちます。
2. ベルトコンベアに乗って変化していく
- アセチルCoAは、工場の中で「オキサロ酢酸」という別の部品と合体し、ここで主役のクエン酸が誕生します！
- クエン酸は、すぐにイソクエン酸に形を変えます。
- イソクエン酸は、ベルトコンベアに乗って様々な形に変化しながら工場の中をぐるぐると回ります。
- 回る途中で、α-ケトグルタル酸、そしてコハク酸へと姿を変えます。
- その後も、フマル酸、リンゴ酸と変化を続けながら、ぐるぐると回り続けます。
- 回っている間に、いくつかの重要な部品（補酵素のNADHやFADH2）が作られます。
- また、不要な二酸化炭素（CO2）も排出されます。
3. エネルギーの塊ができる
- ベルトコンベアから出てきたNADHやFADH2は、別の工場（電子伝達系）に運ばれます。
- そこで、最終的にエネルギーの塊である「ATP」が作られます。
- ATPは、体を動かす、体温を保つ、考えたり覚えたりするなど、あらゆる活動に使われます。
4. 再びスタート地点へ
- 様々な変化を経て、最後に「オキサロ酢酸」に戻ります。
- オキサロ酢酸は、再びアセチルCoAと合体し、またクエン酸が作られて、サイクルが繰り返されます。
クエン酸サイクルのポイント
- エネルギー生産の要：食べたものが、最終的に活動するためのエネルギー（ATP）に変わる重要な過程です。
- ミトコンドリアで起こる：細胞内にあるミトコンドリアという小さな器官の中で行われます。
- 循環する：名前の通り、サイクル（輪）になっていて、同じ反応が繰り返されます。
- 様々な部品が活躍：クエン酸、イソクエン酸、コハク酸など、様々な部品がベルトコンベアに乗って変化しながらエネルギー生産を支えています。
クエン酸回路がうまく働いていないと、栄養素を効率よくエネルギーに変えることができず、疲れやすい状態になります。
クエン酸回路が回らない原因としては、ブドウ糖が不足して部品が足りないことが考えられます。
糖尿病や飢餓状態では糖が不足しているため、クエン酸回路でアセチルCoAを利用できず、エネルギーが不足します。
また、疲労が溜まると体内のクエン酸回路がうまくまわらなくなり、酸性に傾くこともあります。
クエン酸回路をスムーズに動かすには、酢や柑橘類に多く含まれているクエン酸が役立ちます。
クエン酸は、食事によって摂取されたタンパク質・脂質・糖質を分解・消化しながらエネルギーを作る栄養素で、滞った回路の動きをスムーズにする役割があります。
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